基礎ボイトレ -歌唱テクニック:抑揚(曲全体で声量と声質を変化)-

ボイトレ練習
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歌を歌うときに適切な声量で歌うことが重要です。

適切な声量とは抑揚をつけて歌うことを表しています。ただし、声量と言っても曲全体やワンフレーズ、一つの音と、範囲の区切り方で異なるので、今回は曲全体の中でどのように抑揚をつけるかを紹介します。

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抑揚とは

抑揚とは「メロディーや歌詞に合わせて、声量や声質を変化させて歌う」ことです。

一般的に「抑揚をつけて歌う」ことは認識されていると思います。皆さんも抑揚をつけて歌っていると思いますが、ただ声量を変化させればいい訳ではありません。

声量と声質で抑揚をつける

さきほど声量を変化させるだけではないと説明しました。抑揚をつけるためには以下の要素が必要です。

  • 声量の変化
  • 声質の変化

この2つの要素で抑揚がつきます。

例えば、曲の出だしが優しい感じのメロディーと歌詞だと「息が混じった深い声質で囁くような声量」で歌い、激しい歌詞のサビの盛り上がりは「強い声質で大きな声量」で歌います。

ここまでは当たり前ですが、激しい感情の歌詞で曲が始まったときはどうでしょうか?メロディーも落ち着いた感じの場合「強い声質で大きな声量」ではなく「強い声質で控えめな声量」で歌うのが適切です。

声質と声量はそれぞれ独立して制御しなくてはいけません。

でも声質を強くすると、おのずと声量も大きくなってしまいます。「強い声質で控えめな音量」で歌うのは難しいんです。

抑揚の課題

抑揚をつけようとしたり感情を表現しようとすると声質と声量がうまく制御できないことがあります。具体的に以下のようなことがあります。

  • 強い声質にすると声量も上がってしまう
  • 弱い声質にすると聞き取れないほど声量が下がる
  • サビで激しく歌うとウルサ過ぎる
  • 声量が大きすぎるので抑え目にするとサビがうまく歌えない

これらの課題は声質と声量を独立して制御できていないことが原因です。大きく分類すると以下の二つに分かれます。

  • 声質を強くすると声量が出すぎる
  • 声質を弱くすると声量が少なすぎる

この2つの原因を対策するには異なる方法が必要です。

声量が出すぎる場合

声量が出すぎることを改善するには2種類の方法があります。

呼気量を抑える

呼気量を抑えることで声量も抑えることができます。

一番盛り上がったサビの部分で「呼気量を控えめにする」ことを意識して歌います。感情は上がったままで強い声質で歌っても、「呼気量だけ控えめに」と意識するだけで声量が下がります。

マイクを離す

マイクを離せばスピーカーから流れる音量は下がります。サビがうるさすぎる人はマイクを離すと治ります。強い声質で声量をグッと抑えたい場合はさらにマイクを離します。

もしマイク無しで歌った場合、うるさすぎるでしょうか? 小さ目のカラオケボックスでも適切な声質なら、うるさいとは感じないと思います。

ウルサイと感じるのはスピーカーから大音量で流れているか、声質自体がウルサイ場合です。マイク無しでもウルサイと感じるなら声質を改善する必要があります。声量を抑えてもそのままの声質ではうるさく感じます。深みのある響いた声質に改善しましょう。

声量が出ない場合

弱い声質を出そうとして声量が出ない場合は無理に声量を上げようとしないでください。声質が重要なので、声質を壊して別の声になると意味がありません。

マイクを近づける

弱い声質を出そうとして声量が出ない場合はマイクを近づけてください

声質が最も重要なのでマイクを近づけすぎても構いません。弱い声質の場合、大きめの声量でも感情表現のほうが上回るので問題ありません。

逆にサビなどの盛り上がりでマイクを近づけるのはダメです。正しい響きで声量を上げてください。

マイクの位置の注意点

以上のように抑揚をつけるときの声量をマイクの位置で制御する方法があります。

マイクで声量を制御するのは別に間違っていません。積極的に使ったほうがいいくらいです。

カラオケの採点機能に気をつける

最近のカラオケは採点機能がついていて、テレビでも採点機能を利用した歌の対決番組をよく見ますよね。個人的にはカラオケの採点機能はイマイチだと思っています。

カラオケの採点機能では抑揚も採点要素の一つです。

しかしマイクで集音した声の声量を測っているので、隣で聴いている人に聞こえている音ではありません。隣の人には歌っている人の生声とスピーカーの両方の声が聞こえます。

点数を上げようとすると「静かなフレーズでマイクを離し、盛り上がりのサビでマイクを近づける」ことになります。裏技的に「こうやれば点数が上がるよー」なんて紹介してたりします。

その結果、どうなるでしょう?

隣の人には静かなフレーズでほとんど聞こえずサビはウルサ過ぎます。はっきり言って下手くそに聞こえます。

声がよくてかなり歌がうまい人はカラオケで点数がそれほど出ません。上手く歌えば歌うほど機械の採点基準を外れていくと思います。カラオケの点数を目指すのではなく隣で聴いている人が心地よく聞こえる声で歌いましょう。

マイクの正しい使い方は点数上げの裏技の真逆で「声量を落とすときにマイクを近づけて、声量を上げるときにマイクを離す」です。

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