基礎からのボイトレ -基礎知識:声の種類-

ボイトレ理論

前回の「声区」の説明の中でいろいろな声があるとお伝えしました。

基礎からのボイトレ -基礎知識:声区と喚声点-
前回は発声の仕組み(メカニズム)を説明しました。その中で地声と裏声の振動部分が異なり、全く違う声に聞こえることも説明しました。 地声と裏声が全く違う声に聞こえることから、「声区」という概念があります。今回は「声区」と「喚声点」...

はっきりと地声であるとも裏声であるとも言えない声が存在し、その声をどの声区に分けるのかが曖昧で明確になっていません。今回は声にどのような種類があるのかを説明したいと思います。

声の種類

声区を分ける前にどのような声があるのかを確認してみます。

地声

地声は普段喋っているときの声です。歌うときも基本は地声で歌います。胸部や喉、鼻腔、口の中などの体の空洞に声を響かせて歌いますが、喋り声と異なる種類の声ではありません。

前回説明した通り、地声は声帯全体で振動します。


出典:Wikimedia Commonsより

歌を歌うときに喉仏と鎖骨の間に手を当てて、しっかりとした振動を感じるときが地声で発声している状態です。声帯全体が振動しているので手にもしっかり感じ取れます。

ファルセット

裏声は盛り上がったときに出す「ヒューッ」という声ですね。披裂筋類があまり働かず声帯に隙間があり、粘膜部分だけが振動する声です。


出典:Wikimedia Commonsより

先ほどと同じように喉の下部に手を当てても、振動をほとんど感じられません。声帯全体では振動していないので、手で感じることができません。

また、声帯に隙間があるので息漏れも感じられます。息漏れのある裏声のことを「ファルセット」と呼びます。

「裏声に種類があるの?」と思われたと思いますが、裏声には別の種類もあります。

ヘッドボイス

裏声の一種に「ヘッドボイス」というものがあります。(強化ファルセットと呼ぶ場合もあります)

これはファルセットとほぼ同じなんですが、声帯の隙間がない裏声です。喉の中の形状はほファルセットと同じですが、声帯の隙間を閉じると息漏れのない「はっきりした裏声」になります。

オペラのソプラノ歌手を想像してください。

ソプラノ歌手の高音はヘッドボイスです。息漏れなく大音量で歌っています。ファルセットではあんな大音量で歌えません。声質はファルセットと同じで綺麗に響かせているだけです。

男性が裏声を出すと分かりやすいファルセットになりますが、女性は曖昧です。男性のように息漏れせずヘッドボイスしか出せない女性も多いと思います。

女性は地声自体が高いので、地声から裏声に切り替わったのが本人にも明確に分からない人もいると思います。話し声自体がヘッドボイスの人も女性にはいます(電話で急にトーンが上がるような声)。

高音の歌を歌っても男性は明らかに地声と裏声の声質が変わるので高音で悩みますが、女性は裏声に変わっても(裏声だと区別できますが)声質が不自然に変化しないので、あまり高音で悩まないと思います。

女性歌手は裏声でもパワフルに歌っていますが、あれはヘッドボイスだからです。裏声は倍音をあまり含まず皆似た声になるので男性が裏声のヘッドボイスで歌うと女性と同じ声になるので歌に使えません。オペラの男性カウンターテナーは裏声のヘッドボイスです(例えば、もののけ姫の米良さんとか)。

無言歌
米良美一

ミックスボイス(ミドルボイス)

ミックスボイスというのもあります。かなり定義が曖昧でボイトレ業界でもいろいろな説があり混乱していますが、ミドルボイスとも呼ばれています。ベルティングやオペラのアクートも同じような部類です。

人によって解釈が異なり、「裏声を加工した声」や「地声と裏声を混ぜた声」と言う人もいます。

僕の解釈では「声帯周辺の筋肉を細かく制御できている状態の声」です。地声のようにパワフルで豊かな声質ですが、裏声のように高音まで制御できている状態で、地声寄りの声質にしたり裏声寄りの声質にしたりと自由自在に制御できている声です。地声のように声帯全体が振動するので地声と言えると思います。

前回の声区融合を覚えているでしょうか。

声区融合もいろいろな解釈があるのですが、一般的には以下のことが言われています。

  • 地声から裏声まで境界を感じずにスムーズに移動できること
  • スムーズに移動するためには声帯周辺の筋肉の完璧な制御が必要
  • 喚声点付近は地声のような声質になる(喚声点を越えても地声に聞こえる)
  • 声区融合のことをミックスボイスと呼ぶこともある

そうです。ミックスボイスとは声区融合が完成した声です。

ミックスボイスとは声の種類とも言えますが、どちらかというと発声手法にあたります。声自体ではなくミックスボイスの手法を使って喚声点を意識することなく地声(に近い声)で高音を出せるようになります。

また、さきほどのヘッドボイスは裏声の一種と説明しましたが、ミックスボイスを使えるようになった場合、限りなく裏声に近いヘッドボイスも出せるし、地声の成分もあるヘッドボイスも出すことができます。

裏声のヘッドボイスは喉に手を当てても振動を感じませんが、地声が含まれるヘッドボイスだと振動を感じます(高音なので小さな振動ですが)。

地声寄りのヘッドボイスはヘヴィメタルの歌手がよく使います。ソプラノみたいな声質ではないのに同じ高音を出します。

ホイッスルボイス

ホイッスルボイスは名前の通り笛を吹いたような声です。例えばマライアキャリーの超高音がホイッスルボイスです。

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ソプラノの高音も歌詞が聞き取りにくいのですが、あまりにも音程が高すぎて母音を区別することが全くできません。歌詞を伝える歌としては使えませんが、パフォーマンスとしては成立します。

僕の知識が足らなくて申し訳ないんですが、発声メカニズムは良く分かりません。歌詞になってないので、もはや歌唱なのかも疑わしいんですが、ミックスボイスなどとは別物のような気がします。(ダメと言ってる訳じゃありませんよ。パフォーマンスとしては有効だと思います。)

 

以上、いろいろな声の種類を説明しました。最終的にミックスボイスが完成すると声区融合も完成したことになります。

次回は声の響きや共鳴について説明したいと思います。ちょっと感覚的な話になるので、記事を書き上げるのに時間がかかりそうです(笑)。

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