ハーモニカという楽器は皆さんご存知ですよね。
味のある音色で、有名アーティストがギターの弾き語りのときにハーモニカを吹いているイメージです。ギターだけよりも、ブルースハープが加わるとグッと音楽に厚みが出ます。
ロックなどの激しい曲調の音楽でもハーモニカが良く使われます。
でも、
テレビで見かけるハーモニカは
小学校の頃のと違う気がするんだよね。。
アーティストがハーモニカを吹いている映像を見たときに「あれっ?小学校で習ったハーモニカとなんか違う??」と思ったことはないでしょうか。
音色は使用しているハーモニカの品質が違うのかもしれませんが、形もなんか違う気がしませんか?
小学校で習ったものは教育ハーモニカと呼ばれ、子供でも扱いやすくなっています。学校によって横1列や横2列など仕様が異なります。
歌手が弾き語りなどで吹いているハーモニカは、穴が横1列に並んでいる通称「ブルース・ハープ」と呼ばれるものです。ブルースハープはハーモニカの一種です。
ブルース・ハープは商品名なので、正式にはテンホールズ・ダイアトニック・ハーモニカまたはテンホールズ・ハーモニカと呼びます。
最もメジャーなテンホールズ・ハーモニカを中心に、ハーモニカの種類とそれらの特徴を紹介します。
ハーモニカの種類と違い
ハーモニカは主に3種類があります。
- ダイアトニック・ハーモニカ(テンホールズ・ハーモニカ/ブルース・ハープ)
- クロマチック・ハーモニカ
- 複音ハーモニカ
ダイアトニック・ハーモニカ (テンホールズ・ハーモニカ/ブルース・ハープ)
全音階(ダイアトニック・スケール)のハーモニカのことをダイアトニック・ハーモニカと呼びます。全音階なので、半音階(♭や♯)を吹くことはできません。
最もポピュラーなハーモニカです。
1820年代にドイツで発明され製造が始まったハーモニカで、ミュージシャンが弾き語りなどでよく吹いている「テンホールズ・ハーモニカ/ブルース・ハープ」や小学校で習った教育用ハーモニカがダイアトニック・ハーモニカです。
現在、小学校ではハーモニカの授業が廃止され、ピアニカなどの鍵盤ハーモニカに代わっています。この記事ではダイアトニック・ハーモニカの中で最も需要の高いテンホールズ・ハーモニカに絞って紹介します。
テンホールズの名の通り10個の穴が特徴
ダイアトニック・ハーモニカで有名なのは、テンホールズ・ハーモニカです。教育用ハーモニカを除いて、ポップスやロックの演奏で一般人が目にするハーモニカの多くがテンホールズ・ハーモニカです。
ブルース・ハープとも呼ばれます。
超有名な商品の名前が一般的な通称となってしまったパターンです。例えば、洗浄便座のことをウォシュレット(TOTOの商品名)と呼ぶのと同じですね。
テンホールズと名前がついている通り、ハーモニカに10個の穴の吹き口が横一列についています。
テンホールズ・ハーモニカは10個の穴なので、単純計算だと20種類の音階を奏でることができます。(特別な奏法で、さらに異なる音階を奏でることもできます)
20種類しか音階を表現できないので、ピアノのように全ての音階を割り当ててしまうとオクターブがとても狭くなります。そのため、テンホールズ・ハーモニカでは3オクターブの音階を下の表のようにばらけて配置しています。下の表はC調の配置です。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
吹音 | C | E | G | C | E | G | C | E | G | C |
吸音 | D | G | B | D | F | A | B | D | F | A |
通常の音階は、C(ド)-D(レ)-E(ミ)-F(ファ)-G(ソ)...の順ですが、テンホールズ・ハーモニカでは、C-D-E-(Fなし)-G-G-(Aなし)-B...のように一部の音階が抜けていたり同じ音階が続いています。
この音配列は、適当に音階を抜いている訳ではありません。左右の隣同士の音を同時に奏でると和音になるように工夫されています。口を大きくガバッと咥えて適当に吹くと、それなりの和音を奏でます。
また、全音階なので、半音を奏でることができません。そのため、キー(調)ごとに異なる音階を割り当てたハーモニカを用意する必要があります。
ベンド奏法って何?
テンホールズ・ハーモニカは「全音階なので、半音を奏でることができません」と紹介しましたが、特別な奏法をすると半音階を出すことができます。
ベンド奏法(ベンディング)です。
ベンド奏法とは、口や舌の形状を変化させながら隣同士の穴を同時に強く吸う奏法のことです。ベンド奏法をすると高いほうの音階の1音または半音下の音階を奏でることができます。
ベンド奏法は、特別な吹き(吸い)方でハーモニカ内部のリードに異常振動を起こさせて中間の音階を奏でるので、かなり難しい奏法です。
楽器が消耗品?と思うかもしれませんが、楽器の中でもハーモニカはとても安価です。
本家ホーナー社のブルースハープでも7千円程度です。
日本メーカーのトンボ、スズキでも約5千円です。
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日本でハーモニカと言えばトンボなので、やっぱり売れ筋なんですね。
スズキは少し安く3千円台です。
イギリスの楽器関連メーカーがスズキとコラボレーションしたハーモニカがあります。5千円程度です。
海外メーカーなら2千円程度と激安です。音色やピッチはそれなりのようです。
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クロマチック・ハーモニカ
ダイアトニック・ハーモニカに対し、クロマチック(クロマティック)スケール(半音階)を奏でることのできるハーモニカがクロマチック・ハーモニカです。
ピアノなど他の楽器と同様にド#などの半音階(派生音)を奏でることができます。
派生音と幹音(ドレミファソラシド)とが上下に配列された「上下式」と、上の画像のようにスライドレバーを押す事によって派生音を演奏できる「スライド式」があります。
主流はスライド式ですが、機構が複雑で、演奏にも高度なテクニックが必要なようです。
機構が複雑なことから、かなり高価です。テンホールズ・ハーモニカの10倍以上の価格で、10万円以上のモデルもたくさんあります。初心者が手を出すのは難しいかもしれませんね。
見た目もテンホールズ・ハーモニカはジーンズの後ろポケットに突っ込むとロックでオシャレな感じですが、クロマチック・ハーモニカはオーケストラのような高級感があって管楽器に近い印象です。
10ホールズと違い、価格自体はぐっと上がります。1万円台半ばです。
こちらは2万円前後です。
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複音ハーモニカ
今まで紹介したハーモニカは1枚のリードで音を奏でますが、「複音ハーモニカ」は、1つの音に2枚のリードを使用する事により、独特の美しい音色を出せるようにしたハーモニカです。
微妙に調律をずらした同じ音が上下2列に並んでおり、上下の穴を同時に吹く事で、「うなり」を発生させ、ビブラートがかかったような美しい音色を出すことができます。
他のハーモニカには真似できない、郷愁を誘う音色が特徴です。
吹く音と吸う音は交互に並んでいます。
01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
吹音 | C | E | G | C | E | G | C | E | G | C | |||||||||||
吸音 | D | F | A | B | D | F | A | B | D | F | A |
クロマチック・ハーモニカもテンホールズ・ハーモニカと同様に全音階しか奏でることができないので、キー(調)ごとにハーモニカを用意する必要があります。
複音ハーモニカは2枚リードですが、クロマチック・ハーモニカほど複雑な構造をしていません。そのため、テンホールズ・ハーモニカよりは若干高価ですが、比較的安価です。
日本メーカーのトンボ、スズキでもエントリーモデルだと3,000円~5,000円ほどです。
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番外編
ベビー・ハーモニカやミニ・ハーモニカと呼ばれるものもあります。
演奏と言うよりも、ペンダントタイプなど半分オシャレなアクセサリーの位置づけでしょうか。
一応、音も出ます。4穴なら8音階、5穴なら10音階を出すことができます。
こちらはトンボのベビー・ハーモニカ
こちらはスズキのミニ・ハーモニカ
こちらはホーナーのミニチュア・ハーモニカ
ハーモニカのお手入れ方法はこちらで紹介しています。
まとめ
以上、テンホールズ・ハーモニカを中心にハーモニカの種類と特徴を紹介しました。
趣味としてハーモニカを始めたい方は、最もポピュラーなテンホールズ・ハーモニカをおすすめします。
初心者はC調の1本から
本来は曲のキー(調)ごとに揃える必要がありますが、一人で練習するだけであれば、C調のみの1種類で始めても楽しめます。初心者向けの練習本もC調で始めること前提で書かれています。4千円程度です。
練習教材なら、全日本FIHハーモニカ大会 優勝の先生が教えてくれる【ハーモニカ上達革命】という教材があります。DVDつきなので、実際の吹き方を映像で確認しながら練習できます。
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平松先生へ質問/相談 OK!
セッションには全キーが必要
練習の成果が出て、他の人達とバンドを組んでセッションするときに、使用する曲のキーのハーモニカを揃えていけば良いと思います。
どうしても最初から揃えたい人は安いセットものがあります。6千円前後です。
日本メーカーのスズキのセットはそれなりの価格になります。3万円台です。
ハーモニカホルダーでギターを弾きながら!
ギターの弾語りと同時にハーモニカも使うことがあると思います。
そのようなときはハーモニカホルダーが便利です。だいたい1~3千円前後です。
こちらはトンボのメジャーボーイ専用
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こちらはスズキ製
こちらはHOHNER ホーナー製
近所迷惑を気にする人はサイレンサーがオススメ!
自宅での練習だと、ご近所への騒音が気になる方は、サイレンサーがあります。音量を80%低減してくれるようです。9千円前後です。
こちらはクロマチック・ハーモニカのサイレンサーつき。2万円台です。
他の楽器でも近所迷惑ならないものがありますよ。
組み立てキット
ハーモニカの組み立てキットがあります。
内部構造を知りたい方にオススメです。約3千円です。
こちらでも紹介しています。
Amazonの特設ページ
ちょっと、在庫切れが多すぎるので、在庫はそこそこ復活したのですが、念のためAmazonの各メーカーの特設ページを紹介しておきます。この中から選んでください。(在庫切れはかなり解消しました)
ホナー
トンボ
スズキ
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